2019年2月

【コリント(Ⅰ)13章13節】
「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」

40数年前のことですが、私の結婚式の際に、当時の大磯教会牧師、都留忠明牧師が贈ってくださった色紙がこの言葉で、今も自宅の居間に飾ってあります。パウロは、ほかの聖霊の賜物と異なっていつまでも残るものとして信仰と希望と愛の三つをあげている。しかしその中で一番すぐれているのは愛であるという。なぜなら神は愛であり、愛は神の本質だからである。

日野原重明氏の本の中で、イタリアの大歌手フィオレンツァ・コッソットの話しが紹介されていた。75歳まで舞台生活を送った彼女には、聴衆と一体になり、愛されるための秘訣があるそうです。何千人も前にして、自分をさらけだし表現するときに、障壁となるのが、聴衆に自分は愛されているのだろうかという不安に襲われることだそうです。聴衆の中の一人でも自分を嫌っているのではないかと思うと、その瞬間に自分を見失ってしまうかもしれない。しかし、あるとき彼女は気がついたそうです。この会場にいる全員に愛されるためには、まず私が今日ここにいる全員を心から愛さなければいけないのだと。それから彼女は舞台に出るときはいつも、心の中で一人一人に「私はあなたのことを愛しています」という思いを伝えるのだそうです。愛するということは、相手のそのままを受け入れて大切に思うこと。自分ばかりを見ていたら気付けません。

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