2023年10月

コヘレトの言葉4章13節】貧しくても利口な少年の方が/老いて愚かになり/忠告を入れなくなった王よりも良い。

 臨床心理士の藤掛明著『人生の後半戦とメンタルヘルス』を読んでいたら面白い記事がありました。ある小学校の先生が考えた人生時計という記事です。人生時計とは、自分が人生のどこにいるのかを、一日24時間の時間で考えるというアイデアでした。そしてそのための計算はいたって簡単で、自分の年齢を3で割るというものでした。たとえば18歳なら3で割って午前6時です。60歳なら午後8時(20時)です。この人生時計は、72歳で24時を迎えます。72歳以上の方はどう考えればよいのでしょう。この人生時計ではこう説明しています。「24時以降の時間を神様から特別に与えられたものとして味わうのが良いと思います。それは、静まりかえった時間かもしれませんし、綺麗な朝焼けを望む時間かもしれません。・・・そこでは、幼時のように自分の人生を新たに味わう喜びが待っています」。今、大磯教会で牧師館建築が計画されていますが、牧師館は当然必要なものですから、早いほうが良いのですが牧師交代時期も重要な要素です。コヘレトは、「貧しくても利口な少年の方が/老いて愚かになり/忠告を入れなくなった王よりも良い」と記します。一般的には、「少年は経験が乏しいので愚かであり、老人は経験が豊富であるゆえに賢い」と言えます。しかし、コヘレトは、貧しい少年でも利口な者がおり、王であっても年を重ねることによって愚かになる事実を指摘するのです。ここでの「愚かさ」の特徴は、他人の忠告に耳を傾けないことです。コヘレトの言葉の著者と言い伝えられる賢いソロモン王も、晩年、異教の神々を崇め、自分の欲望のままに振る舞う愚かな王になりました。引き際を間違えないようにと祈ることも大切なことです。

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