2023年11月

【コヘレトの言葉12章1節】青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。/苦しみの日々が来ないうちに。/「年を重ねることに喜びはない」と言う年齢にならないうちに。

 この聖句は、「汝の若い日に汝の造り主を知れ」という文語調で覚えている人は多いと思います。私もまた、日曜学校に通い、19歳で洗礼を授けられ造り主を知り、今に至るまで信仰者でいられることに感謝を覚えます。団塊の世代と言われ、迷惑がられながらも社会を壊し、経済発展の先兵として歩んだ世代です。大学生の時は2年まで教室で授業を受けましたが、後半は大学が全共闘に占拠されロックアウトで入れず、教授のお宅で15,6名が民法の授業をうけたことが懐かしく思い出されます。当時、池袋近くの大塚の牛乳屋に住み込んで、早朝、牛乳配達をしてから横浜まで通学していましたが、ある夕方、牛乳屋の前の大通りで全共闘の学生たちと機動隊が投石と発煙筒が飛び交う光景を二階から見ていました。教授のお宅で一緒に学んでいた仲間の一人が留置場に入れられましたが、彼らはどう生きてきたのでしょうか。後期高齢者という枠組みの中に入り、体力も記憶力も徐々に落ちて来ます。大きく主に用いられたイギリスの老説教者が、「信仰生活が長いと、苦しみから遠ざかると考えるのは間違いです。私は若い時よりも年を取った今ほど信仰の試みは大きいと気づいた。それは、若い時は自分で出来たが老いた今は誰かに依存せねばならない…」と言いました。コヘレトのこの言葉は、「年を取ってから信仰をもってもだめだ」と言うのではありません。むしろ、老年ほど困難は大きくなる。だから若い時に創造主を知り、訓練を受け、年老いても信仰を奪われず、むしろ自分で出来なくなった分だけもっと主に信頼して歩むために」と言っているかのようです。70才の人はやがて迎える80才よりも若く、80才は90才より若いのです。今を大切に、救い主にもっと近づきましょう。

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