【マタイによる福音書5章9節】平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
8月第一主日(3日)は日本基督教団が決めた「平和聖日」です。原爆を経験した広島のある西中国教区の提案によるものです。8月6日の広島の原爆投下の日に近いということで、8月第一主日が選ばれました。マタイ福音書5章9節の「平和を実現する」という「平和」という意味にはいろいろな意味があります。戦争と反対概念である「平和」を意味するだけではありません。人と人との間に争いがないこと。魂の平和(平安)。神と人間の間の平和(和解)ということでもあります。「平和を実現する人々は・・・神の子と呼ばれる」とあります。「平和を実現する人々」の働きは、何よりも主イエス御自身の地上における歩みに具体的に示されていると言えます。ですから、「平和を実現する人々」も、イミタチオ・クリスティ(キリストに倣いて)を歩む人々のことであると言えるでしょう。ある人の証言の中に、戦争中、多くの家の親族に戦死者がでていたが、その人の家には戦死者はなく、国防婦人会から差別があり嫌だったそうです。ある時、出征していた兄(従弟?)が戦死したという連絡が入り、盛大な葬儀が行われ、自分は嬉しかったと証言していました。無言の同調圧力の恐ろしさを思います。親族の戦死を喜ぶような異常な状況に置かれる悲劇を繰り返さないように、平和の種を蒔いてゆきましょう。ウクライナの戦闘とガザの悲劇が早く終わるように祈りたい。セミがけたたましく鳴く8月、私も工兵隊で防御陣地の構築をしたであろう父のことや兄の父がペリリュー島で玉砕したことを考えたりしています。」