2020年6月

【コヘレトの言葉11章1節】
あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。 月日がたってから、それを見いだすだろう。

 新型コロナウイルスの感染も収まりつつありますが、多くの方が命の危機を感じたのではないでしょうか。今も続いていますが。コヘレト11章1~6節には、人の将来には何が起きるかわからないので、多少の危険は覚悟して事にあたらねばならないという教訓が記されています。1節の解釈にはいろいろあるようですが、こういう解釈があります。氾濫で肥沃な土砂が流れてきた岸辺に種を蒔くなら多くの収穫を得るという。また、一般には、物惜しみしないで多くの人に愛の業をなすなら、いつか必ず報われるという。この意味で讃美歌21の566番「むくいを望まで」を作詞したのがフィービ・ハナフォードという女性牧師です。彼女はニューイングランド地方で最初に牧師資格を得た女性で、女性の地位向上に尽くした活動家です。また、聖書には徴税人レビと呼ばれたマタイが記されています。彼は律法を学びましたが、パンを自分の力で最も尊いパンにしようとする律法主義に反発し、今度はローマ帝国の徴税人になりました。そこは、パンを時の権力に渡して生きる生き方でした。収税所で悩んでいたレビに声を掛けたのが主イエスです。すると「彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った」(ルカ5章28節)のです。2千年経った今もレビは聖書の中で生きています。

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