【詩編37編5節】あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい
詩人は「あなたの道を主にまかせよ」と言っていますが、あなたの人生をすべて主に委ねなさいと言っているのです。「まかせる」という言葉は、本来「(石を)ころがす」という意味です。主の主権のもとに私たちの道(人生)をころがして移すことを意味しているのです。私たちの人生は、自分の思いとは異なる方向にころがるかもしれないのです。しかし主は、まかせた者の道(人生)をご自分の計画に従って、豊かに計らってくださるのです。讃美歌21-528番「あなたの道を」は、ドイツの讃美歌作者パウル・ゲルハルトの作詞です。「あなたの道を」「道を備え」「走るべき道を」と、全体を通して「道」にこだわったこの讃美歌は、「栄光のみ国へ帰るその日」と、天国を見据えた歌詞で終わるゲルハルトの詞の特徴が現れています。ルターがドイツ語に訳した詩編37編5節がゲルハルトにこの作詞を生み出す霊感を与えたと言われます。それまでは「あなたの願いを主に打ち明けなさい。そうすれば、主はかなえてくださる」という意味に理解されていました。ルターは、それを「あなたの道を主にゆだね、主に望みをおきなさい。主は良いようにはからってくださる」と訳しました。私の願いを聞いて下さる神ではなく、自分の願いを神に委ねて神のみ旨に従う信仰が告白されているのです。このルターのドイツ語訳からゲルハルトの詩があふれ出てきます。